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明石の免許試験場へ行こう! 10

明石の免許試験場へ行こう! 10

明石16

本免学科試験を無事にクリアし、後は本免技能試験を残すのみとなった。
今回の運転免許失効事件では、それに関連した多くのサイトで、さまざまな情報を得る事が出来た。
その中でいち早く目に留まったのが、セグロドライビングスクールさんという、教習所だ。
本免路上試験では、当然明石運転免許試験場周辺の道路で行われるが、あまり土地勘の無い者にとっては不利だ。
ところがこちらのセグロドライビングスクールでは、何と実際の試験コースで練習出来る事がわかり、こちらを見つけた時から、場合に寄ってはお世話になろうと、かねてから決めていました。
いくらGoogle マップの試験場付近の航空写真を拡大してみても、路線バスを使って周辺道路状況を把握しようとしても、詳しい情報は殆ど得る事は出来ません。
また、「仮免許練習中」と書いたお手製プレートを愛車に貼付けて、夜遅く西宮から明石まで練習に行くのも現実的ではない。
やはり少しお金が掛かっても、早く合格するのにはセグロドライビングスクールの教習は、非常に有効だと思う。
何しろ、こちらのサイトにある「指導員日誌」では、練習の結果、多くの方が凄く早く技能試験に合格している事が分る。
もし、仮免技能試験の前からこちらでお世話になっていれば、もっと早く合格出来たに違いないが、私の場合、住む場所の関係で、それは望めませんでした。
しかし、何と試験当日の午前中に教習して頂けるので、これも非常に好都合です。
私は試験当日の午前中2時間の教習を早速申し込んだ。

平成23年10月20日(木)

本免技能試験のこの日、9時45分に明石駅横のロッテリア前で、
申し込んでおいたセグロドライビングスクールの高田ティーチャーと待ち合わせ。
教習車は教習所名などは一切書いていない新型プリウスで、これだとペーパードライバー教習などの際、堂々とショッピングセンターのパーキングなどで練習する事が出来るのだそうだ。
なるほどねぇ〜!

初めて乗るプリウスでひとまず試験場付近まで行き、ここから何パターンかある試験コースを、実際に運転してみる。
周辺道路は、路線バスが多い、歩行者も多い、道路沿いにお店や学校、病院などもあり、横断歩道を渡ろうとしている歩行者も珍しく無い。
また、危険運転のチャリンコも凄く多くて、これは一筋縄では行きそうに無い事が分る。
しかし高田ティーチャーは流石は大ベテラン!
路上試験での注意事項やポイントなどを、とても分り易く事細かく教えて下さる。
もし、知らなかったら恐らく何度試験を受けても不合格だった事だろうと思う。
そして私には信号待ちなどで停車中、前の車に近づき過ぎる悪い癖がある事が判明!
これがこの後、ど偉い事に発展する。
全く油断する暇も無くアッと言う間に2時間の教習が終わった。
高田ティーチャーはこの後、神戸市内でペーパードライバー教習があるとの事でで、お世話になった高田ティーチャーと明石駅前で別れた。
明石駅構内の飲食店街で「きしめん」を食べ、いつもの様に神姫バスで試験場へと向かう。
試験場に着いてからは、技能試験フロアで本免路上試験の案内ビデオを見ながらのんびり過ごす。
そして指定時刻の14時30分となり受付後、場内試験場所(縦列駐車or方向転換)の確認を終えると試験説明となる。
もの静かで穏やかな口調の試験官が、親切丁寧に説明してくれる。
本免路上試験では、まず試験官の指示で路上を走行。
コース途中で停止し、試験官殿から地図を手渡され、あらかじめ自分で決めておいたコースを走行。
自分で決めるコースは、右折と左折をそれぞれ1回ずつ入れなければならない。
また、道順が分らなくなっても試験官に聞く事は許されず、その場合は一旦停止してから試験官に頼んで地図を見せてもらう。
もし万が一間違えても、減点にはならないが、急遽変更したコースでも採点が行われる。
そして、試験場に帰還後、点数が残っている場合のみ、場内試験へと進む事が出来る。
説明終了後、いよいよ本免路上試験の開始となる。
私は2番手だ。
試験に使われる車両は、場内で行われる仮免技能試験の日産プリメーラや三菱の同クラス車よりもさらに小型の日産ティーダだ。
そして屋根部には技能試験中、兵庫県警と書かれた看板が掲げられている。
まずは試験官殿の運転によって場内から路上へ出るゲート前近くのスタート地点まで行き、そこで1番手さんが運転席に乗り込む。
そして1番手さんの試験が開始され、私は後部座席に座り見学する。
1番手さんは途中、逆走してくるチャリンコや、歩道からはみ出して歩く下校途中の小学生などに苦慮しながらも、ソツなく終了。
コース途中の指示された路肩に駐車し、私と交代する。
準備完了を試験官殿に伝え、試験が開始される。
やはり最初に「ならし走行」させてくれるが、たった100メートルなんてほんの一瞬で終わってしまう。
こんなの意味あるの!?
試験官殿の道案内に従って慎重に走行する。
そして試験開始早々、大失敗してしまう。
そう、午前中の教習時に判明した私の悪い癖、信号待ちの際、前車に近づき過ぎて停止してしまった!(汗)
停止してからその失敗に気が付き、思わず

「あっ!」

と声を出してしまったが、もう後の祭りだ。
しかし、いくらなんでもこれだけで即不合格ではあるまい。
まだチャンスはあるので気を取り直して慎重に走行する。
しかしまたしても事件は起こった。
急に勝手にスピードが落ちたと思ったら、何と試験官殿が、あろう事か補助ブレーキを踏んでいるではないか!

気が付くと反対車線に停車中の貨物トラックの影から、荷物運び用ワゴンを押したオッサンが車道へはみ出しているではないか!?
試験官殿から気を付ける様、注意される。
これは試験官補助にあたり、これで即不合格となる。
もう合格は絶望的だ。
私はガックリきて一気にテンションが下がった。
試験官殿の道案内への返事の声もいっぺんに小さくなる。
指示された場所に一旦停止し、地図を見せられる。
あらかじめ決めておいた経路を確認して課題走行に移る。
不合格確定でも、とりあえず最後まで続けさせてくれるのかな!?
落ち込みながらも、次回の再試験への貴重な練習だと思い、慎重に運転を続ける。
50キロ規制の道路もちゃんと50キロギリギリで走行。
相変わらず路上駐車が多く、路線バスも多い。
前方の交差点を左折する予定だが、サイドミラーを見ると、1台の原チャリのオッサンがやって来るのが確認出来た。
ここで左折に備えて左寄せしても良いものか!?
もしかするとまた補助ブレーキを踏まれるかも知れない。

どうしよう!?

もぉ〜!よりによってこんな時に〜!全くもぉ〜!!

忌まわしい原チャリのオッサンめぇ〜!!

結局かなりスピードを落として原チャリのオッサンを先に行かせた直後、合図を出して左寄せした。

多分もうダメだと分っている試験に嫌気が差して来て、

「いいかげんさっさと終わってほしい!」

なんて思いながら運転していると、試験官殿から

「道間違えてますよぉ〜!」

と指摘される。
適切な場所に停車する様に指示を受け、慎重に停車しようとすると、

「ここは交差点ですよぉ〜!」

そこは小さな3差路の交差点だった。
またしても試験官殿より指摘を受けてしまい、右合図を出し、速やかに発車させ、駐停車禁止場所ではない事を確認のうえ、停車する。
試験官殿より再び地図を見せられ、最後まで頑張って運転を続け、元気の無い声で

「間もなくゴール付近です」トホホ

と試験官殿に伝えた。
そして仮免技能試験で走り慣れた場内を少し走行してスタート地点に到着した。
1番手さんはこれから場内試験に向かう旨が伝えられ、少し待つ様に命じられる。
その後、試験官殿は私に今回は不合格の旨を伝えた。
やはり大きな原因は最初にした車間距離を詰めて停車した事で、試験官殿はこの時、私が失敗に気が付き、それからは適切に対処していた事を、ちゃんと見てくれていた。
私は試験官殿に、補助ブレーキを踏まれた事が、即不合格となったのかと質問すると、即不合格と言う訳ではなく、安全のため、止む終えず試験官が補助ブレーキを使う事があり、あの時の補助ブレーキは、必ずしも不合格では無かった。
だから最後まで諦めないで試験に取り組む様にと教示され、今回の第1回目本免技能試験はもうボロボロの結果に終わった。
今回の不合格は、これまでに無い落ち込み様で、本当にガッカリして肩を落として帰路についた。
そして帰りの快速電車で頭を垂れてうたた寝(ふて寝)し、ふと頭を戻したとたん、寝違えを起こしてしまい、首が回らなくなった。
これでは来週の再試験の際、首を振って安全確認が出来ないじゃないかぁ〜!

もう最悪だ!

明石の免許試験場へ行こう!9

明石の免許試験場へ行こう! 9

明石16

平成23年10月13日(木)

今日はいよいよ本免学科試験を受ける日だ。
これまで試験の日は、良いお天気が続いていたが、この日はどんよりとした曇り空で、時折雨も降る生憎のお天気だ。

明石9

試験開始時刻は12時50分だが、その前に再び適正試験を受けなければいけないので、10時前に試験場に到着した。
そして必要書類を窓口に提出するのだが、この窓口の職員の男性が、またやたらと愛想が良く、とても親切な対応には驚くばかりだ。
何しろ、これまでの私のイメージでは、運転免許試験場の職員は、みんな警察官で、上から目線でとても偉そうで愛想もへったくれも無い。
思い起こせば私が初めて運転免許学科試験を受けに来た約20年以上前は、確かにその通りだった。
そのあげくの果てに、合格発表後、案内説明がよく分らずにオロオロしている青年に対し、怖そうなオッサン職員が、みんなの前で凄くキツい口調で罵倒し、周りの人達が口々に
「可哀想やなぁ!」
と呟いていた光景は、今でもはっきりと覚えている。
だから、もう2度と来たく無いと思っていたここ明石運転免許試験場へ、再び来なければならない事態となった時は、本当に憂鬱だった。
しかしいざ来てみると、あれれ〜!?職員(試験官)の殆どの皆さんはとても親切丁寧な対応でホッとした。
職員の対応で不快な思いをした事は、殆ど無い。
およそ20年もの歳月が、この様に変貌させたのだろうか?

適正検査(試験)では両腕を前にまっすぐ伸ばしてグッパグッパを繰り返し、ピョンピョン飛び跳ね〜簡易!?視力検査〜赤、青、黄色の色盲検査を難なく終え、後は12時50分までひたすら待った。
待つ間もず〜っと携帯サイトの試験問題をやり続ける。
往生際が悪いが、やっていないと落ち着かない。
気分転換に技能試験フロアへ行ってみる。

明石7

技能試験説明ビデオが放映されたモニタを後ろから立って見ていると、あの小綺麗な女性試験官殿が私のいる方へ歩いて来た。
私は軽く会釈すると、小綺麗な女性試験官殿は、口元をピッと引き締めた表情で、ちゃんと目を合わせて会釈して立ち去って行った。

久しぶりに試験場地階にある食道でラーメンを食べた。
ささ〜っと食べて、ここでも暫く携帯サイトの試験問題と向き合う。
携帯電話のバッテリーが無くならないか心配だ。
開放された試験室に入り、指定された席に着き、また携帯で試験問題と向き合う。
受験生の殆どが教習所の卒業生で、学科試験だけを受験する人達で、私の様な飛び入り試験組は、およそ10人強だ。
席はそれぞれ分けられ差別化されている。
試験開始時刻が近づき、担当試験官がやって来る。
仮免学科試験の時の背がスラーっとしたおばさん試験官殿だ。
まず、免許停止中の人の確認、免許取り消し処分を受け、試験を受ける事が出来ない欠格期間が過ぎていない人の有無の確認、
取り消し処分者講習をまだ受けていない人の有無の確認等々、延々約30分近くにわたり、ひとつずつ確認して行く。

長いなぁ〜!

これだけで結構疲れる。
この説明を学科試験担当官は、来る日も来る日も毎日1日2回、繰り返しているのだ。
受験する方も大変だが、試験官も大変そうだ。
該当者はたま〜に居るらしいが、この日は該当者は居ない様で確認後、ようやく試験開始となった。

明石15

試験問題は大きなソフトクリアファイルに入った2枚の問題と、小型の解答用マークシートで、テーブル上での配置に少々苦労する。
そして試験問題は◯か×だけど、どちらも間違えではない様な、凄く紛らわしい問題も少なくなく悩む。
そんな問題が結構多く、その数は10問を上回り、これが全部不正解だと90点を下回り不合格となってしまう。
最後の最後まで迷ってしまい、時間ギリギリで辛うじて全部解答し、直後解答用紙を回収された。
そんなに待たされる事なく試験結果が判明する。
1回フロアにあるモニターの前に集合し、ピンポンピンポンピンポ〜ン!の音の直後、一斉に合格者の番号がモニターに並ぶ。
流石にわくわくドキドキする。
さて私の番号は…

あった!

ありました!

やりました!!

しかも飛び入り組の合格者は、10人強の中で私と美人系のお姉さんの2名だけだった。

仮免許学科試験の時、確認するのを忘れた得点を今回はちゃんと確認すると、
何と92点とギリギリセーフではないか!?
95〜6点を目標に頑張って来ただけに、合格は出来たものの、今回も手放しで喜んでばかりはいられない。
美人系のお姉さんと共に、地階の技能試験窓口で本免技能試験の予約を入れる。
幸い翌週の木曜日の予約を取る事が出来た。
9月1日から始めた明石の試験場通いも、ようやく先が見えて来た感じだ。
ひとまずはホッとしながら明石運転免許試験場を後にした。

明石の免許試験場へ行こう! 8

明石の免許試験場へ行こう!8

明石16

平成23年10月6日(木)

午前中家を出て、JR西宮駅に着くと、丁度ホームには下りの快速電車が停車中で、もはやこれには間に合わない。
いっつもこうである。
タイミング良く15分に1本の快速に乗れる事は稀だ。
ちゃんと時刻表で確認すれば済む事だけど…。
普通で芦屋まで行く。
芦屋駅のホームで新快速電車を待っていると、駅のアナウンスでたった今、神戸の新長田駅で人身事故が発生し、快速と普通は運転を見合わせたとの事!

えぇ〜!!

でも幸い人身事故が発生した新長田駅構内を通過しない新快速や特急列車、貨物列車は幸い運転していた。

季節はもうすっかり秋めいて、明石へ向かう新快速の車内に、薄着をした女性や短パンを履いた若いお兄ちゃんの姿は既に無く夏から秋へと季節の移ろいを感じる。
私も今日はジャケットを着ている。
三宮を過ぎ、元町を徐行運転で通過。
向かいのホームではさっき西宮駅で乗れなかった快速電車が運転を見合わせて停車中だ。
神戸駅にも運転見合わせ中の普通電車が停車中。
新長田駅の下を通過した際、人身事故に遭った快速電車が駅を出た所で停車し、先頭車両の周りにJRの職員が大勢集まっているのが見えた。
明石まで停まらない新快速も神戸駅発車後、いつもの様に高速運転はせず、ややゆっくりとした速度で走行して明石駅に無事到着出来た。
この新快速は明石から各駅に停車するとの由。
余裕をもって家を出て良かったとホッとして試験場へ向かう神姫バスに乗った。
明石運転免許試験場へ来るのも、もうすっかり慣れてしまった。
しかし今日も試験開始まで、かなり余裕があるので、来るべき本免路上試験に備え、少しでも試験場周辺の道路の雰囲気を確認しようと思い、乗っているバスを終点の伊川谷駅まで乗ってみる事にする。
しかし、このバス路線は試験コースとは限らない。
あくまでも周辺道路の様子を見るためである。
ハスは試験場や神戸学院大学などのある市街地を抜け、やがて田園が点在する郊外を行く。
周りの田んぼの稲穂は黄色く色づき収穫間近だ。
これで今年は撮影したかった黄金色の田んぼと列車との撮影は叶わぬものとなった。
試験場にはそれでも結構余裕をもって到着し、手続きを済ませ待機する。

明石c

顔なじみの試験官殿に会釈する。
待機中は緊張しているせいか、何度もトイレに行く。
そして指定時刻となり受付を済ませ、いつもの様にコース発表後、ウォーキング開始!
清々しい撮影には最高の清々しい秋晴れの青空の下、明石運転免許試験場コースを、もうすっかりよれよれになったコース地図を持って歩いた。

明石4

すると1台の試験車両がこちらに近づいて来るので待避すると、運転しているのは何といつもの小綺麗な女性試験官殿だった。
よく見ていると、どうもコース確認を行っている様子で、試験で回るコースを忠実に回っていた。
やがてS字や屈折路へ差し掛かったので私は急いで近づき、その様子を凝視した。
当たり前だが流石にそつなく滑らかに通過していった。
今回指定された第6コースの中で、少し気になる箇所がある。
ちょうど側を通りかかった男性試験官殿に近づき、恐る恐る質問させて頂く事は可能かと尋ねてみた。
試験官殿は、答えられる範囲内であれば問題無いとの由。
そこで気になる点について質問すると、とても丁寧に教えてくれ、私の持っているコース図を取り上げ、色鉛筆で軽く書き込んで説明して頂き恐縮する。
するとその試験官殿は、
「これくらいの事だったら問題は無いので教えられるけど、答えられへん事も多いねんでぇ〜!」
と笑みを浮かべて立ち去って行った。

コース見学も終わり、いつもの様に受験順に席に座って試験の説明が始まります。
この日、受験生はわりと多く、約20名近く居たと思われる。
今回解説してくれる試験官は、何と先程コース見学中に質問に快く答えてくれた試験官殿ではないか!
これまでの試験官同様、親切丁寧に説明してくれるが、毎回微妙に違いがあるのも興味深い。
そして、何と何と、今回私が乗るの仮免許技能試験車両には、この試験官だ!
これも何かの縁だと思いながら順番を待った。
この日の順番も私は3番手で、私が後部座席に乗る番がやってきて、2番手の人の試験が始まった。
この2番手さんも運転には慣れている様で、坂道発進もサイドブレーキを使わずスムーズに発車。
いつもの様に試験官殿が

「はい、次の◯番を右へ!」
「はい、次の◯番を左へ!」

と言った具合に道順を案内してくれるのは有難いが、ここで思わぬハプニングが発生!
コースも後半に差し掛かり、いよいよ終盤というところで、あろう事か

「はい!次の◯番を右へ…ああっ!ごめん!左へ!汗」

何と間違えはった!

でも何とか2番手さんはコースを完走してスタート地点へ戻る事が出来た。

私は速やかに下車するが、2番手さんは運転席に座ったまま試験官殿と何か話している。
どうも不合格らしい。
試験官殿が道順を間違えたから、多少おまけしてくれるかも知れないと思ったが、そうは行かないらしい。
2番手さん残念そうな面持ちで受験票を持って次回の予約へと去って行った。

さて次はいよいよ私の番だ。

安全確認を終え、速やかに乗車し。
そして徐に後部座敷に座った4番手さんを見ると、案の定シートベルトをしていない。

おいおい!俺を不合格にする気かい!

後部座席の人の安全確認を怠ったので、気が付かなければ減点だ。

「シートベルトお願いします!」

ピシャリ!と言うと、慌ててベルトを装着した。
試験官殿に挨拶し、準備完了。
「それではスタートして下さい!」
との指示で試験開始!
今回はたった100メートルの「慣らし走行区間」で過減速しながら調子を確認した。
「ハイ!慣らし走行終了!」
とのかけ声と共にビュ〜ン!と一気に加速!
今回は丁寧過ぎる運転はやめ、思いっきりメリハリのある運転を心がけた。
指示速度区間も50キロギリギリで走行した。
周回コースも終わり、場内においても昨日教習所で教わった事を思い出しながら走行。
苦手なS字や屈折路へと差し掛かる。
最初のS字では、やはり難航する。
私は車を一旦停止し、窓を開けて身を乗り出して前輪の様子を確認し、再び少し前進してからまた停止し、窓から前輪を確認した。
このまま行けば脱輪しそうである。
私は落ち着いて後方確認をしっかりした後、少し後退し切り返して無事通過出来た。
これは昨日お世話になった教習所の教官殿から教わったコツである。
窓を開けて確認する際、車が動いていたら減点なのだそうだ。
また、後退する際も後方確認を怠ると減点である。
次の屈折路は無停車で通過出来た。
開けた窓はそのまま閉めずに踏切を通過。
そして先程コース見学中に質問した箇所も教わった通りに通過。
多少合図と確認の仕方がぎこちない所があったものの、何とか無事にスタート地点に戻れた。
指定されたポールに車全部をピッタリと合わせて停車。
駐車処置をして試験官殿に恐る恐る
「おわりました」
と伝えると
「終わったか終わらんかはええから早よ降りてこっち来て!」
と命じられる。
直ちに降りろ!とは、これはもしかしてもしかすると!?
私は一瞬慌てたが、落ち着いて後方安全確認を行い車を折り、試験官殿が座る助手席側へと回った。

「木下さん、あんたもう点数ギリギリやでぇ〜!」
「あんたなぁ、安全確認が合図と黙視が同時やねん!」

と言いながら、合図と黙視の適切な方法をワンポイントアドバイスしてくれた後、ニッコリ微笑んで

「あんたホンマにもうギリギリやけど、ハイ!合格!おめでとう!!」

「キター!」

「キターキター!!」

もうひとつおまけに

「キターキターキター!!!」

夢にまで見た合格だ合格だー!

でも、辛うじて合格だったと言う事で、両手を上げて喜んでばかりもいられない。
もし、出発時、後尾座席を確認しなかったら、
もし、昨日教習所でコツを教えてもらっていなかったら、
もし、他に何か微々たるミスをして減点されていたら…
なんて考えると本当に紙一重だった事がよく分る。

でも、いずれにしてもめでたく合格出来たのだ〜!
試験官殿に証明写真を渡し、指示された試験場1階のフロアで待つ様に指示される。

ホッとしながら席に座っていると1人、また1人と不合格となった人達がトボトボと試験場を後にする姿が見える。
結局この日の技能試験に合格出来たのは、およそ20人くらいの中で、私を含めたったの3人だけだった。
小1時間ほど待たされ、ようやく待望の仮免許証が交付され、同時に本免学科試験を受ける前に、
1日2時間以上、路上において「仮免許練習中」と書いたプレートを制作、車の前後の指定された箇所にそのプレートを貼付けて5日以上練習する様命じられる。
練習中は必ず普通免許取得3年以上の人を乗せなければならない。
そして、練習したかどうかを報告する用紙も配られた。
この練習を本当にするかしないかは別として、まぁ何はともあれこれで最大の難関を無事に乗り越えられたのだ。

フゥ〜ッ!

明石の免許試験場へ行こう! 7

明石の免許試験場へ行こう! 7

明石16

平成23年9月30日(金)

昨日、仮免技能試験で不合格となって翌朝、兵庫県自動車学校へ教習の予約を取りに出向く。
電話での予約受付は行っていないので、わざわざ出向いていかなければならない。
ところがもうすでに殆どいっぱいで、何と今日の午後しか空いていなかった。
本当は次回の試験日の前の日あたりがベストだったが、仕方が無い。
まぁ鉄は熱いうちに打て!と言うし、やらないよりはマシなので予約を入れた。
教習所のロビーで待っていると、本日の教官殿が呼びにやって来た。
そしてこれまでの試験の経緯を説明し、今までの試験官殿より頂戴した有難〜い
ワンポイントアドバイス大全集を見せた。

するとそれを見た今回の教官殿は「オッケーオッケー!!」
と、まるで「俺に任せとけ!」と言った感じで私の苦手な所を重点的に教習して下さる。
ギアチェンジも、徐行時にいちいち1速(ローギア)に落とさず、2速(セカンドギア)で走行する練習も徹底的にして下さった。
おかげでマニュアル車の運転もかなりスムーズとなり、充実した教習だった。

教習所の予約は、現時点ではいっぱいでも、それは結構流動的で、キャンセルや変更もあるので、もし試験前にもう一度教習を受けたかったら、こまめに覗いて空いているかどうか確かめると良い旨を、教習所の職員の方より勧めてもらった。
すると、職員の方が言われた通り、受けたかった水曜日の午後が空いていたのですかさず予約を申し込んだ。

平成23年10月4日(水)

8月の終わりに免許証の更新を1年半も忘れている事に気が付いてから、とうとう10月になってしまった。
NHKの朝の連続テレビ小説も「おひさま」が終わり、「カーネーション」が始まった。
はたして10月中に免許証を無事取得する事が出来るだろうか!?

今日は4回目となる仮免許技能試験の前日だ。
今回の教習でお世話になった教官殿は、これまでお世話になった教官殿達とはまたひと味違う、ひょうひょうとした感じの方だった。
そして何故か明石の試験場では上手く出来ない苦手なS字や屈折路の練習の他、明石試験場内におけるちょっとした注意点やコツなども詳しく教習して下さった。
そのちょっとした注意点が、翌日の試験では、大いに役立つ事になる。

その夜、お店が終わってから翌日の仮免許技能試験の作戦会議を行うため、とうとう私より先に運転免許証をめでたく取得した友人のホン・グギョン(あだ名、日本人です)とカフェへ行った。
この日、話し合った事は、もし翌日の仮免許技能試験がダメだったら、
もうマニュアル車はあきらめ、オートマチック限定に変更し、とりあえず早く免許証を取得して、日々の暮らしで車が運転出来る様にする事を優先する事に決めた。
そしてまたいずれ、限定解除の試験を受ければ良い。

明石の免許試験場へ行こう! 6

明石の免許試験場へ行こう! 6

明石16

平成23年9月15日(木)に仮免技能試験で不合格となり、次回の試験まで2週間も待たなければならなくなった。
私の試験に対するテンションは一気に下がり、それまでジムに通っていた時間を来るべき本免学科試験に備えて勉強するのにあてていたが、もうやる気が無くなり、またジムに通う事にした。
練習でお世話になった兵庫県自動車学校も、もう教習の予約を入れるのを見合わせた。

平成23年9月29日(木)

今日は2週間ぶりの仮免許技能試験の日である。
明石の試験場へ行く事は、もうあまり苦では無くなって来た。
それどころか、何となく挑戦するという楽しささえ覚え、気が重いという事は無い。
あの衆議院議員の辻本清美議員に声がよく似た小綺麗な女性試験官は今日もいるかなぁ!?
なんて思いながら、明石駅前から神姫バスに乗って運転免許試験場へと向かう。
そして明石高校前というバス停を過ぎると、前方にかまぼこ屋根が特徴の試験場庁舎が、まるで難攻不落のお城の様にそびえているかの如く見えて来る。
今日も良いお天気で、9月ももう終わるというのに相変わらず夏日で暑い。

明石20

試験料を支払って証書をもらい、またいつもの様に地階の技能試験フロアへと向かった。
今日はいつもの小綺麗な女性試験官の姿は見えない。
非番でお休みなのかな!?
なんかあの女性試験官殿の顔を見ないと、試験場へ来たという気がしないなぁ〜(笑)。
丁度外免切り替えの技能試験の最中で、不合格となってガッカリした面持ちで試験を終えた人達が、窓口で次回の予約をしている様子を見つつ、椅子に座って試験心得ビデオを鑑賞する。
窓口では試験に不合格となった男性が窓口の職員(試験官)に詰め寄っている。
しかしその試験官は、表情ひとつ変える事無く
「日本においては、道路交通法でこの様に決められてますので…」
と淡々と受け答えしていた。
しかしこの外国人男性は納得行かないのか、その後もず〜〜っと窓口でごねていた。
するともう1人別の外国人の男性がそれに加わり、2人で何やらごねている。
別のフロアから、英語が得意な若い女性職員が通訳の応援に駆けつけ、試験官との間に入って一生懸命通訳を行う。
そうこうしている中、例の小綺麗な女性試験官がやって来た。
外免の試験を行っていた様で、この2人の男性も、この試験官だったらしい。
2人の男性はこの小綺麗な女性試験官に詰め寄り、文句を言うと、その試験官は被っていた兵庫県警のロゴが刺繍されたキャップを脱ぎ、ホワイトボードを使って淡々と試験でダメだった箇所の説明が始まった。
目を閉じて聞いていると、まるで衆議院議員の辻本清美議員が喋っている様だ。
この2人の男性のうち、後からやってきた方は、本当に惜しかった様で、とても不満そうです。
それでも通訳を交えながら、一生懸命不合格となった原因をとても詳しく解説している様子を見て、私は偉い仕事なんだなぁ〜!と感心した。
しばらくその状態が続き、1人目の男性が小綺麗な女性職員に突っ掛かった時、それまで穏やかだった女性試験官の顔色が急に険しくなり、

「あなたはあの時、脱輪したんでしょう!」
「あんな大きな失敗したら、もう試験は終わりなの!」

と厳しい口調で言い放った。
何を言ってもダダをこねるばかりの外国人男性に、とうとう嫌気がさしたのだろう。
その厳しい口調はまるで辻本清美議員がかつて小泉元総理鈴木宗男前議員に激しく追求している様だ。

それにしても、あっちゃ〜〜〜!

脱輪しちゃったらダメでしょう!

それでもその外国人男性は諦めきれず、抗議を続けると、女性試験官は毅然とした態度で、

「それだったらもっとスクール(教習所)で練習して来て下さい!」

「それか、もしここが嫌だったら、スクールに通って免許を取る方法もあるわよ!ここが嫌だったらね!」

巨額な費用が掛かるスクールに通うなんて無理だ!と、相変わらずダダをこねる外国人男性に、

「それが嫌なら今日、次回の予約をして下さい!」

「日本においては、道路交通法に従って頂けない人には免許をお渡し出来ないの!」

「今、次の試験の予約をしないと試験は受けられません!」

政治や外交等において、日本は欧米に弱腰だが、ここではそうではない。
しかしこの後、女性試験官が言った

「もっとスクールで練習して来て下さい!」

と言う言葉がこの後、私に大きな影響を与える事になる。

騒動もようやく収束し、指定時間の14時30分前になると、それまで外免切り替えの外国人ばっかりだった技能試験フロアに、いつの間にか大勢の人(多いと言っても20人前後)が集まり、受付開始とともにそれぞれ指定された窓口に並ぶ。
さっきの小綺麗な女性試験官は窓口の奥で疲れ果てた表情で他の試験官と話しているのが見えた。

そして手続きを済ませ、暫くして試験コース発表が行われる。
いつもの様に私は素早く自分のコースを確認し、コース見学へ向かう。

明石3

こちら明石運転免許試験場のコースは、おかげさまでかなり把握出来ている。
しかし、外周道路以外の場内試験場内の指定されたコースをコース図と色鉛筆を持って入念に確認する。
もうかなりボロボロになりかけているコース図に、各交差点を記した番号を記入する。
まだ少し時間があるのでトイレに行って戻ると、もうみんな集合しており、受験順に並んで座っていた。
私も慌てて指定された席に座る。
今日の試験説明役は、私が第1回目にお世話になった若い方の女性試験官殿だ。
一通り詳しく丁寧に説明を終え、最後に質疑応答がある。
試験官殿曰く

「コースに出たら一切何も質問にはお答え出来ませんから、聞きたい事があったら今のうちですよぉ〜!」

「一旦試験が開始されてコースに出てしまったら、もう言えない事だらけですからねぇ〜!」

言えない事だらけって面白い言い方ですねぇ(笑)。
これで少し心が和む。

しかしここでハプニング!

私はてっきり自分のコースが第4コースだとばっかり思っていたら、何と第7コースではないか!!
これは大変だ!
違うコースを一生懸命覚えていた事になり大失敗!
でも心配ご無用。
試験場内コースはだいたい頭に入っている。
幸い私は試験3人目だったので、スタート地点待合所のプラットホームに出て、1人目の試験の間にコース図を取り出し、第7コースを広げる。
そして主な交差点の番号をちゃちゃ〜っと書き込み、指でなぞってハイ完了!
そうこうしている間に1人目の人が試験を終えて出発地点に戻って来た。
この人は不合格でしょんぼりして次の予約をしに向かった。
2番手の人の後部座席に乗り込む。
2番手さんは若いイケメン君で、運転はとても上手だ。
S字も屈折路もノンストップでスゥ〜っと通過!
乗っていても安心!
良いお手本となる。
このイケメン君は何回目の試験なのかは分らないけど、見事合格で、ニッコリ笑みを浮かべながら私に会釈して嬉しそうに指定場所へと去って行った。

次は私の番だ。

今日で3回目なので、是が非でも合格しなければならないと思う。
今回の試験官は、私が第1回目の技能試験の時の、さっき試験の説明をしてくれた「言えない事だらけ」の女性試験官殿だ。
第1回目の時は、とても惜しかったので、その時と同じ試験官なので、何か行けそうな気がした。
4番手さんを後部座席に乗せ、車の前後確認を軽くした後、試験車の運転席にそっと乗り込む。
シートピッチ、ミラーなどを合わせ、準備が完了した旨を試験官に伝え、エンジンをかけてスタート!
丁寧に!丁寧に!と自分に暗示をかけながら慎重にコースを回る。

明石5

コースはさっき間違えて覚えた第4コースに若干似ているので助かる。
しかし、ギアチェンジが何だかぎこちなく、さっきのイケメン君に比べてかなり下手くそだと自覚する。
S字や屈折路も各1回ずつ切り返しをしてしまう程だ。
踏切、坂道、一旦停止などをそつなくこなし、コースを走行中、女性試験官殿から

「スピード出せる所は出して下さいね!」と口を開いた。

し、しまったぁ〜!!

丁寧な運転を意識し過ぎのあまり、今回は何か元気の無い走りを続けてしまった様だ!
しかも試験官からこんな指摘を受けると何点か減点のはずだ!

ヤバイ!
ヤバすぎる!!

もう今回もダメかも知れないなぁ〜と思いつつ、何とか完走してスタート地点に戻って来た。
後部座席の4番手さんが降りる様、命じられる。
「木下さぁ〜ん、今回はねぇ、ちょっと点数が無くなってしまって不合格なんですよぉ〜」

ガ〜ン!

ガンガ〜ン!!

もうひとつおまけにガンガンガ〜〜〜〜ン!!!

「木下さんマニュアル車の運転、あんまり慣れてはらへんねんねぇ」
「ギアチェンジに気を取られて左寄せが出来てなかったり、左折で徐行の時はローに落とさなくてもセカンドでいいねんよ」
いちいち止まりそうな速度の時はローに落とさなくても大丈夫なのかと質問すると、
「そうそう!セカンドで十分行けるねんよ」
「そうしたらね、ギアチェンジの回数も減るから右左折の時に運転に集中出来るんですよ」
「あとね、交差点を右折する時にね、ちょっと小回りだったんですよ〜」
と言いながら紙に図を書いて丁寧に右折の仕方を説明して下さった。
そして私は最近どうも苦手になってしまったS字や屈折路通過時の事を聞いてみると
「木下さん切り返ししてはったけど、あの時は切り返さなくてもあのまま行けてたよぉ〜!」
「あとはねぇ、安全確認なんかはちゃんとやってはったんで、次回頑張ってくださいね!
今回の不合格は、これまでで一番ガッカリした。
そして、もう何度やっても合格出来ないのではないか!?と弱気な事を思ってしまう。
私の脳裏にさっき小綺麗な女性試験官殿が外国人男性に言っていた

「スクールでもっと練習してきて下さい!」

と言う言葉が過った。
やはりこの2週間の間、何度か教習を受けるべきであった。
肩を落として閑散とした夕方の試験場を後にとぼとぼとバス停へと歩いた。

後日、私は早速兵庫県自動車学校へ教習の予約を取りに行った。

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