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第二の壁画 完成!

皆様こんにちは!
いつもありがとうございます。

さてダイニング・キノシタの店内でひときわ目を引くのが、メニューの黒板の上の壁面に描かれた客船の絵です。(模写)
これはフランスの定期客船「ノルマンディー」号が処女航海でニューヨークへ初入港した時の賑わいがモチーフとなっています。
そして今回、新たに描いたのが、英国リバプールに佇む英国の定期客船「ルシタニア」号です。(模写)
「ルシタニア」号は英国、キュナードラインが誇る当時最大最速の客船で、姉妹船に「モレタニア」号がありました。
描き始めたのが1月20日で、1週間で仕上げる予定でしたが、見本にした絵が思ったよりも難しく、完成したのは2月に入ってからとなりました。
客船の背後にあるクラシックなビルはロイヤルライバーというビルで、現在もリバプールのシンボルとして親しまれています。
二つの塔の上にはライバーバードという鳥のモニュメントがあり、こちらも有名らしいです。
実は今回の絵の中で一番困難を極めたのが、このロイヤルライバービルで、その複雑な建築様式といったら、「一体誰がこんなややこしいデザインにしたんだぁ〜!」と思わずぼやきたくなるほどで、描いては書き直し、描いては書き直しの繰り返しでした。(アクリル絵具なので、上から塗り直せるんです)
細かい部分はインターネットでこのビルを調べ、プリントアウトして参考にしました。
現存する建物なので、ごまかしが効かないんです。
最後の上げは、ルシタニア号や周りの船に乗っている人を描いて、一番最後に柵を描いてやっと完成となります。
客船ですからやっぱり人を描かないと寂しいですからね。
作業は毎晩お見せの営業終了後に行い、帰宅は深夜3時をまわる日もありました。
未完成の期間は、ルノアールのレプリカの額で隠していたのでお客様の目に触れる事はありませんでした。
今回完成した新しい壁画は、店内の北側の入り口横にある白いピアノの上にありますので、ご来店の際は是非ご覧頂けますと幸いです。

「ルシタニア」号のこと

英国キュナードラインは政府からの援助を受け、1907年に2隻の高速豪華客船を完成させました。
「ルシタニア」と「モレタニア」です。
余談ですが姉妹船「モレタニア」は映画「タイタニック」で名前だけが出て来ます。
サウサンプトンの埠頭で車から降りて来たローズさんがタイタニック号を見上げで
「何をみんな騒いでいるの?こんなのモレタニア号と同じやんかぁ〜!」
というシーンがあります。

英国キュナードラインのライバル社ホワイトスターラインは、この2隻に対抗しようと当時世界最大の豪華客船を3隻建造することになりました。
第一番船「オリンピック」号、そして第二番船が「タイタニック」号でした。
第三番船は「ジャイガンティック」号となる予定でした。

1914年、第一次世界大戦が始まりました。
そして1915年5月、「ルシタニア」はドイツのUボートに撃沈されてしまい、その短い生涯を終えてしまいました。

ホワイトスターラインの第三番船「ジャイガンティック」号は「タイタニック」の事故を受け、おおそれた名前を改め「ブリタニック」と改名。
完成時にはもう第一次大戦が始まっていたので白地に赤十字が描かれた病院船として活躍。
しかし完成間もなくこの船はギリシャ沖のエーゲ海で機雷に触れ沈没。

残された「モレタニア」「オリンピック」は大戦を生き延びました。