「きのカツ」のおはなし
今日も一日、ぐずついた梅雨空の一日でした。そのせいか、お店も終日、閑古鳥がないておりました。
さて、今日は当店の名物のひとつ「きのカツ」に関するお話です。
『すみません「きのカツ」ってきのこが入っているのでっすか!?』とたまに聞かれる事があります。まあ無理もありませんね。
当店の「きのカツ」と言うのは、とても美味しい「和豚」というブランド豚のロースをスライスし、それをミルフィーユ状に重ね合わせてカツにして、あっさりとおろしぽんずでお召し上がり頂くトンカツです。
誕生のきっかけは、いつもの様にトンカツ用のロースのブロック(塊)を発注したところ、こちらの不注意により間違ってスライスしたお肉が届いてしまったのです。
さあ大変です!お肉の在庫はもうすでに無く、これを使ってトンカツを作るしかありません。
そこで意を決してスライスされたロースを何枚か重ね合わせでトンカツを作ってみました。そしてカラッと揚がったそのカツを食べてみて思わず「ああっ!これは美味しい!」と叫んでしまいました。
サクっとした食感と心地よい軟らかさ、これは従来のトンカツよりも数段美味しいと思いました。これなら歯が強くない方でも比較的食べやすいですし、そこそこボリューム感もあり、きっと幅広い年代の方々に喜んで頂けるものと確信いたしました。
それからすぐに当店のトンカツは、全てこのミルフィーユ風に切り替え、従来のトンカツは廃止しました。
そして、多くのお客様から愛されるネーミングを付けようと、皆で検討した結果、ダイニング・キノシタの「きのカツ」ではどうか!?と言う事でこの愛称に決まったのであります。
しかしながら当初は、何となく気恥ずかしい気持ちもありましたが、現在はすっかり定着し、当店の看板メニューのひとつとして親しんで頂き、大変嬉しく思っております。
後に姉妹商品として大葉を挟み込んだ「しそきのカツ」が登場。
大葉は熱を加えると香りがほとんど飛んでしまうという欠点がありましたが、「しそきのカツ」には6枚もの大葉が挟み込まれておりますので、爽やかな香りをお口いっぱいに楽しんで頂く事が出来ます。
さらに今年初夏、期間限定で信州産の美味しいグリーンアスパラガスにスライスしたお肉を巻き付け、カツに仕上げた「グリーンアスパラガスきのカツ」が登場!とても好評だったのですが、仕上がりが見た目に非常に大きくなってしまい、特に女性やご年配のお客様がその大きさに大変驚かれ、見ただけでお腹がいっぱいになってしまったそうです。ところが食べてみると、全体のおよそ6割強がグリーンアスパラガスのため、意外とペロリと召し上がられました。
これからもお客様に喜んで頂ける様、いろいろと工夫して行ければと思っております。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
- 日々のつぶやき
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- 2007年7月11日