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明石の免許試験場へ行こう! 8

明石の免許試験場へ行こう!8

明石16

平成23年10月6日(木)

午前中家を出て、JR西宮駅に着くと、丁度ホームには下りの快速電車が停車中で、もはやこれには間に合わない。
いっつもこうである。
タイミング良く15分に1本の快速に乗れる事は稀だ。
ちゃんと時刻表で確認すれば済む事だけど…。
普通で芦屋まで行く。
芦屋駅のホームで新快速電車を待っていると、駅のアナウンスでたった今、神戸の新長田駅で人身事故が発生し、快速と普通は運転を見合わせたとの事!

えぇ〜!!

でも幸い人身事故が発生した新長田駅構内を通過しない新快速や特急列車、貨物列車は幸い運転していた。

季節はもうすっかり秋めいて、明石へ向かう新快速の車内に、薄着をした女性や短パンを履いた若いお兄ちゃんの姿は既に無く夏から秋へと季節の移ろいを感じる。
私も今日はジャケットを着ている。
三宮を過ぎ、元町を徐行運転で通過。
向かいのホームではさっき西宮駅で乗れなかった快速電車が運転を見合わせて停車中だ。
神戸駅にも運転見合わせ中の普通電車が停車中。
新長田駅の下を通過した際、人身事故に遭った快速電車が駅を出た所で停車し、先頭車両の周りにJRの職員が大勢集まっているのが見えた。
明石まで停まらない新快速も神戸駅発車後、いつもの様に高速運転はせず、ややゆっくりとした速度で走行して明石駅に無事到着出来た。
この新快速は明石から各駅に停車するとの由。
余裕をもって家を出て良かったとホッとして試験場へ向かう神姫バスに乗った。
明石運転免許試験場へ来るのも、もうすっかり慣れてしまった。
しかし今日も試験開始まで、かなり余裕があるので、来るべき本免路上試験に備え、少しでも試験場周辺の道路の雰囲気を確認しようと思い、乗っているバスを終点の伊川谷駅まで乗ってみる事にする。
しかし、このバス路線は試験コースとは限らない。
あくまでも周辺道路の様子を見るためである。
ハスは試験場や神戸学院大学などのある市街地を抜け、やがて田園が点在する郊外を行く。
周りの田んぼの稲穂は黄色く色づき収穫間近だ。
これで今年は撮影したかった黄金色の田んぼと列車との撮影は叶わぬものとなった。
試験場にはそれでも結構余裕をもって到着し、手続きを済ませ待機する。

明石c

顔なじみの試験官殿に会釈する。
待機中は緊張しているせいか、何度もトイレに行く。
そして指定時刻となり受付を済ませ、いつもの様にコース発表後、ウォーキング開始!
清々しい撮影には最高の清々しい秋晴れの青空の下、明石運転免許試験場コースを、もうすっかりよれよれになったコース地図を持って歩いた。

明石4

すると1台の試験車両がこちらに近づいて来るので待避すると、運転しているのは何といつもの小綺麗な女性試験官殿だった。
よく見ていると、どうもコース確認を行っている様子で、試験で回るコースを忠実に回っていた。
やがてS字や屈折路へ差し掛かったので私は急いで近づき、その様子を凝視した。
当たり前だが流石にそつなく滑らかに通過していった。
今回指定された第6コースの中で、少し気になる箇所がある。
ちょうど側を通りかかった男性試験官殿に近づき、恐る恐る質問させて頂く事は可能かと尋ねてみた。
試験官殿は、答えられる範囲内であれば問題無いとの由。
そこで気になる点について質問すると、とても丁寧に教えてくれ、私の持っているコース図を取り上げ、色鉛筆で軽く書き込んで説明して頂き恐縮する。
するとその試験官殿は、
「これくらいの事だったら問題は無いので教えられるけど、答えられへん事も多いねんでぇ〜!」
と笑みを浮かべて立ち去って行った。

コース見学も終わり、いつもの様に受験順に席に座って試験の説明が始まります。
この日、受験生はわりと多く、約20名近く居たと思われる。
今回解説してくれる試験官は、何と先程コース見学中に質問に快く答えてくれた試験官殿ではないか!
これまでの試験官同様、親切丁寧に説明してくれるが、毎回微妙に違いがあるのも興味深い。
そして、何と何と、今回私が乗るの仮免許技能試験車両には、この試験官だ!
これも何かの縁だと思いながら順番を待った。
この日の順番も私は3番手で、私が後部座席に乗る番がやってきて、2番手の人の試験が始まった。
この2番手さんも運転には慣れている様で、坂道発進もサイドブレーキを使わずスムーズに発車。
いつもの様に試験官殿が

「はい、次の◯番を右へ!」
「はい、次の◯番を左へ!」

と言った具合に道順を案内してくれるのは有難いが、ここで思わぬハプニングが発生!
コースも後半に差し掛かり、いよいよ終盤というところで、あろう事か

「はい!次の◯番を右へ…ああっ!ごめん!左へ!汗」

何と間違えはった!

でも何とか2番手さんはコースを完走してスタート地点へ戻る事が出来た。

私は速やかに下車するが、2番手さんは運転席に座ったまま試験官殿と何か話している。
どうも不合格らしい。
試験官殿が道順を間違えたから、多少おまけしてくれるかも知れないと思ったが、そうは行かないらしい。
2番手さん残念そうな面持ちで受験票を持って次回の予約へと去って行った。

さて次はいよいよ私の番だ。

安全確認を終え、速やかに乗車し。
そして徐に後部座敷に座った4番手さんを見ると、案の定シートベルトをしていない。

おいおい!俺を不合格にする気かい!

後部座席の人の安全確認を怠ったので、気が付かなければ減点だ。

「シートベルトお願いします!」

ピシャリ!と言うと、慌ててベルトを装着した。
試験官殿に挨拶し、準備完了。
「それではスタートして下さい!」
との指示で試験開始!
今回はたった100メートルの「慣らし走行区間」で過減速しながら調子を確認した。
「ハイ!慣らし走行終了!」
とのかけ声と共にビュ〜ン!と一気に加速!
今回は丁寧過ぎる運転はやめ、思いっきりメリハリのある運転を心がけた。
指示速度区間も50キロギリギリで走行した。
周回コースも終わり、場内においても昨日教習所で教わった事を思い出しながら走行。
苦手なS字や屈折路へと差し掛かる。
最初のS字では、やはり難航する。
私は車を一旦停止し、窓を開けて身を乗り出して前輪の様子を確認し、再び少し前進してからまた停止し、窓から前輪を確認した。
このまま行けば脱輪しそうである。
私は落ち着いて後方確認をしっかりした後、少し後退し切り返して無事通過出来た。
これは昨日お世話になった教習所の教官殿から教わったコツである。
窓を開けて確認する際、車が動いていたら減点なのだそうだ。
また、後退する際も後方確認を怠ると減点である。
次の屈折路は無停車で通過出来た。
開けた窓はそのまま閉めずに踏切を通過。
そして先程コース見学中に質問した箇所も教わった通りに通過。
多少合図と確認の仕方がぎこちない所があったものの、何とか無事にスタート地点に戻れた。
指定されたポールに車全部をピッタリと合わせて停車。
駐車処置をして試験官殿に恐る恐る
「おわりました」
と伝えると
「終わったか終わらんかはええから早よ降りてこっち来て!」
と命じられる。
直ちに降りろ!とは、これはもしかしてもしかすると!?
私は一瞬慌てたが、落ち着いて後方安全確認を行い車を折り、試験官殿が座る助手席側へと回った。

「木下さん、あんたもう点数ギリギリやでぇ〜!」
「あんたなぁ、安全確認が合図と黙視が同時やねん!」

と言いながら、合図と黙視の適切な方法をワンポイントアドバイスしてくれた後、ニッコリ微笑んで

「あんたホンマにもうギリギリやけど、ハイ!合格!おめでとう!!」

「キター!」

「キターキター!!」

もうひとつおまけに

「キターキターキター!!!」

夢にまで見た合格だ合格だー!

でも、辛うじて合格だったと言う事で、両手を上げて喜んでばかりもいられない。
もし、出発時、後尾座席を確認しなかったら、
もし、昨日教習所でコツを教えてもらっていなかったら、
もし、他に何か微々たるミスをして減点されていたら…
なんて考えると本当に紙一重だった事がよく分る。

でも、いずれにしてもめでたく合格出来たのだ〜!
試験官殿に証明写真を渡し、指示された試験場1階のフロアで待つ様に指示される。

ホッとしながら席に座っていると1人、また1人と不合格となった人達がトボトボと試験場を後にする姿が見える。
結局この日の技能試験に合格出来たのは、およそ20人くらいの中で、私を含めたったの3人だけだった。
小1時間ほど待たされ、ようやく待望の仮免許証が交付され、同時に本免学科試験を受ける前に、
1日2時間以上、路上において「仮免許練習中」と書いたプレートを制作、車の前後の指定された箇所にそのプレートを貼付けて5日以上練習する様命じられる。
練習中は必ず普通免許取得3年以上の人を乗せなければならない。
そして、練習したかどうかを報告する用紙も配られた。
この練習を本当にするかしないかは別として、まぁ何はともあれこれで最大の難関を無事に乗り越えられたのだ。

フゥ〜ッ!

明石の免許試験場へ行こう! 7

明石の免許試験場へ行こう! 7

明石16

平成23年9月30日(金)

昨日、仮免技能試験で不合格となって翌朝、兵庫県自動車学校へ教習の予約を取りに出向く。
電話での予約受付は行っていないので、わざわざ出向いていかなければならない。
ところがもうすでに殆どいっぱいで、何と今日の午後しか空いていなかった。
本当は次回の試験日の前の日あたりがベストだったが、仕方が無い。
まぁ鉄は熱いうちに打て!と言うし、やらないよりはマシなので予約を入れた。
教習所のロビーで待っていると、本日の教官殿が呼びにやって来た。
そしてこれまでの試験の経緯を説明し、今までの試験官殿より頂戴した有難〜い
ワンポイントアドバイス大全集を見せた。

するとそれを見た今回の教官殿は「オッケーオッケー!!」
と、まるで「俺に任せとけ!」と言った感じで私の苦手な所を重点的に教習して下さる。
ギアチェンジも、徐行時にいちいち1速(ローギア)に落とさず、2速(セカンドギア)で走行する練習も徹底的にして下さった。
おかげでマニュアル車の運転もかなりスムーズとなり、充実した教習だった。

教習所の予約は、現時点ではいっぱいでも、それは結構流動的で、キャンセルや変更もあるので、もし試験前にもう一度教習を受けたかったら、こまめに覗いて空いているかどうか確かめると良い旨を、教習所の職員の方より勧めてもらった。
すると、職員の方が言われた通り、受けたかった水曜日の午後が空いていたのですかさず予約を申し込んだ。

平成23年10月4日(水)

8月の終わりに免許証の更新を1年半も忘れている事に気が付いてから、とうとう10月になってしまった。
NHKの朝の連続テレビ小説も「おひさま」が終わり、「カーネーション」が始まった。
はたして10月中に免許証を無事取得する事が出来るだろうか!?

今日は4回目となる仮免許技能試験の前日だ。
今回の教習でお世話になった教官殿は、これまでお世話になった教官殿達とはまたひと味違う、ひょうひょうとした感じの方だった。
そして何故か明石の試験場では上手く出来ない苦手なS字や屈折路の練習の他、明石試験場内におけるちょっとした注意点やコツなども詳しく教習して下さった。
そのちょっとした注意点が、翌日の試験では、大いに役立つ事になる。

その夜、お店が終わってから翌日の仮免許技能試験の作戦会議を行うため、とうとう私より先に運転免許証をめでたく取得した友人のホン・グギョン(あだ名、日本人です)とカフェへ行った。
この日、話し合った事は、もし翌日の仮免許技能試験がダメだったら、
もうマニュアル車はあきらめ、オートマチック限定に変更し、とりあえず早く免許証を取得して、日々の暮らしで車が運転出来る様にする事を優先する事に決めた。
そしてまたいずれ、限定解除の試験を受ければ良い。

明石の免許試験場へ行こう! 6

明石の免許試験場へ行こう! 6

明石16

平成23年9月15日(木)に仮免技能試験で不合格となり、次回の試験まで2週間も待たなければならなくなった。
私の試験に対するテンションは一気に下がり、それまでジムに通っていた時間を来るべき本免学科試験に備えて勉強するのにあてていたが、もうやる気が無くなり、またジムに通う事にした。
練習でお世話になった兵庫県自動車学校も、もう教習の予約を入れるのを見合わせた。

平成23年9月29日(木)

今日は2週間ぶりの仮免許技能試験の日である。
明石の試験場へ行く事は、もうあまり苦では無くなって来た。
それどころか、何となく挑戦するという楽しささえ覚え、気が重いという事は無い。
あの衆議院議員の辻本清美議員に声がよく似た小綺麗な女性試験官は今日もいるかなぁ!?
なんて思いながら、明石駅前から神姫バスに乗って運転免許試験場へと向かう。
そして明石高校前というバス停を過ぎると、前方にかまぼこ屋根が特徴の試験場庁舎が、まるで難攻不落のお城の様にそびえているかの如く見えて来る。
今日も良いお天気で、9月ももう終わるというのに相変わらず夏日で暑い。

明石20

試験料を支払って証書をもらい、またいつもの様に地階の技能試験フロアへと向かった。
今日はいつもの小綺麗な女性試験官の姿は見えない。
非番でお休みなのかな!?
なんかあの女性試験官殿の顔を見ないと、試験場へ来たという気がしないなぁ〜(笑)。
丁度外免切り替えの技能試験の最中で、不合格となってガッカリした面持ちで試験を終えた人達が、窓口で次回の予約をしている様子を見つつ、椅子に座って試験心得ビデオを鑑賞する。
窓口では試験に不合格となった男性が窓口の職員(試験官)に詰め寄っている。
しかしその試験官は、表情ひとつ変える事無く
「日本においては、道路交通法でこの様に決められてますので…」
と淡々と受け答えしていた。
しかしこの外国人男性は納得行かないのか、その後もず〜〜っと窓口でごねていた。
するともう1人別の外国人の男性がそれに加わり、2人で何やらごねている。
別のフロアから、英語が得意な若い女性職員が通訳の応援に駆けつけ、試験官との間に入って一生懸命通訳を行う。
そうこうしている中、例の小綺麗な女性試験官がやって来た。
外免の試験を行っていた様で、この2人の男性も、この試験官だったらしい。
2人の男性はこの小綺麗な女性試験官に詰め寄り、文句を言うと、その試験官は被っていた兵庫県警のロゴが刺繍されたキャップを脱ぎ、ホワイトボードを使って淡々と試験でダメだった箇所の説明が始まった。
目を閉じて聞いていると、まるで衆議院議員の辻本清美議員が喋っている様だ。
この2人の男性のうち、後からやってきた方は、本当に惜しかった様で、とても不満そうです。
それでも通訳を交えながら、一生懸命不合格となった原因をとても詳しく解説している様子を見て、私は偉い仕事なんだなぁ〜!と感心した。
しばらくその状態が続き、1人目の男性が小綺麗な女性職員に突っ掛かった時、それまで穏やかだった女性試験官の顔色が急に険しくなり、

「あなたはあの時、脱輪したんでしょう!」
「あんな大きな失敗したら、もう試験は終わりなの!」

と厳しい口調で言い放った。
何を言ってもダダをこねるばかりの外国人男性に、とうとう嫌気がさしたのだろう。
その厳しい口調はまるで辻本清美議員がかつて小泉元総理鈴木宗男前議員に激しく追求している様だ。

それにしても、あっちゃ〜〜〜!

脱輪しちゃったらダメでしょう!

それでもその外国人男性は諦めきれず、抗議を続けると、女性試験官は毅然とした態度で、

「それだったらもっとスクール(教習所)で練習して来て下さい!」

「それか、もしここが嫌だったら、スクールに通って免許を取る方法もあるわよ!ここが嫌だったらね!」

巨額な費用が掛かるスクールに通うなんて無理だ!と、相変わらずダダをこねる外国人男性に、

「それが嫌なら今日、次回の予約をして下さい!」

「日本においては、道路交通法に従って頂けない人には免許をお渡し出来ないの!」

「今、次の試験の予約をしないと試験は受けられません!」

政治や外交等において、日本は欧米に弱腰だが、ここではそうではない。
しかしこの後、女性試験官が言った

「もっとスクールで練習して来て下さい!」

と言う言葉がこの後、私に大きな影響を与える事になる。

騒動もようやく収束し、指定時間の14時30分前になると、それまで外免切り替えの外国人ばっかりだった技能試験フロアに、いつの間にか大勢の人(多いと言っても20人前後)が集まり、受付開始とともにそれぞれ指定された窓口に並ぶ。
さっきの小綺麗な女性試験官は窓口の奥で疲れ果てた表情で他の試験官と話しているのが見えた。

そして手続きを済ませ、暫くして試験コース発表が行われる。
いつもの様に私は素早く自分のコースを確認し、コース見学へ向かう。

明石3

こちら明石運転免許試験場のコースは、おかげさまでかなり把握出来ている。
しかし、外周道路以外の場内試験場内の指定されたコースをコース図と色鉛筆を持って入念に確認する。
もうかなりボロボロになりかけているコース図に、各交差点を記した番号を記入する。
まだ少し時間があるのでトイレに行って戻ると、もうみんな集合しており、受験順に並んで座っていた。
私も慌てて指定された席に座る。
今日の試験説明役は、私が第1回目にお世話になった若い方の女性試験官殿だ。
一通り詳しく丁寧に説明を終え、最後に質疑応答がある。
試験官殿曰く

「コースに出たら一切何も質問にはお答え出来ませんから、聞きたい事があったら今のうちですよぉ〜!」

「一旦試験が開始されてコースに出てしまったら、もう言えない事だらけですからねぇ〜!」

言えない事だらけって面白い言い方ですねぇ(笑)。
これで少し心が和む。

しかしここでハプニング!

私はてっきり自分のコースが第4コースだとばっかり思っていたら、何と第7コースではないか!!
これは大変だ!
違うコースを一生懸命覚えていた事になり大失敗!
でも心配ご無用。
試験場内コースはだいたい頭に入っている。
幸い私は試験3人目だったので、スタート地点待合所のプラットホームに出て、1人目の試験の間にコース図を取り出し、第7コースを広げる。
そして主な交差点の番号をちゃちゃ〜っと書き込み、指でなぞってハイ完了!
そうこうしている間に1人目の人が試験を終えて出発地点に戻って来た。
この人は不合格でしょんぼりして次の予約をしに向かった。
2番手の人の後部座席に乗り込む。
2番手さんは若いイケメン君で、運転はとても上手だ。
S字も屈折路もノンストップでスゥ〜っと通過!
乗っていても安心!
良いお手本となる。
このイケメン君は何回目の試験なのかは分らないけど、見事合格で、ニッコリ笑みを浮かべながら私に会釈して嬉しそうに指定場所へと去って行った。

次は私の番だ。

今日で3回目なので、是が非でも合格しなければならないと思う。
今回の試験官は、私が第1回目の技能試験の時の、さっき試験の説明をしてくれた「言えない事だらけ」の女性試験官殿だ。
第1回目の時は、とても惜しかったので、その時と同じ試験官なので、何か行けそうな気がした。
4番手さんを後部座席に乗せ、車の前後確認を軽くした後、試験車の運転席にそっと乗り込む。
シートピッチ、ミラーなどを合わせ、準備が完了した旨を試験官に伝え、エンジンをかけてスタート!
丁寧に!丁寧に!と自分に暗示をかけながら慎重にコースを回る。

明石5

コースはさっき間違えて覚えた第4コースに若干似ているので助かる。
しかし、ギアチェンジが何だかぎこちなく、さっきのイケメン君に比べてかなり下手くそだと自覚する。
S字や屈折路も各1回ずつ切り返しをしてしまう程だ。
踏切、坂道、一旦停止などをそつなくこなし、コースを走行中、女性試験官殿から

「スピード出せる所は出して下さいね!」と口を開いた。

し、しまったぁ〜!!

丁寧な運転を意識し過ぎのあまり、今回は何か元気の無い走りを続けてしまった様だ!
しかも試験官からこんな指摘を受けると何点か減点のはずだ!

ヤバイ!
ヤバすぎる!!

もう今回もダメかも知れないなぁ〜と思いつつ、何とか完走してスタート地点に戻って来た。
後部座席の4番手さんが降りる様、命じられる。
「木下さぁ〜ん、今回はねぇ、ちょっと点数が無くなってしまって不合格なんですよぉ〜」

ガ〜ン!

ガンガ〜ン!!

もうひとつおまけにガンガンガ〜〜〜〜ン!!!

「木下さんマニュアル車の運転、あんまり慣れてはらへんねんねぇ」
「ギアチェンジに気を取られて左寄せが出来てなかったり、左折で徐行の時はローに落とさなくてもセカンドでいいねんよ」
いちいち止まりそうな速度の時はローに落とさなくても大丈夫なのかと質問すると、
「そうそう!セカンドで十分行けるねんよ」
「そうしたらね、ギアチェンジの回数も減るから右左折の時に運転に集中出来るんですよ」
「あとね、交差点を右折する時にね、ちょっと小回りだったんですよ〜」
と言いながら紙に図を書いて丁寧に右折の仕方を説明して下さった。
そして私は最近どうも苦手になってしまったS字や屈折路通過時の事を聞いてみると
「木下さん切り返ししてはったけど、あの時は切り返さなくてもあのまま行けてたよぉ〜!」
「あとはねぇ、安全確認なんかはちゃんとやってはったんで、次回頑張ってくださいね!
今回の不合格は、これまでで一番ガッカリした。
そして、もう何度やっても合格出来ないのではないか!?と弱気な事を思ってしまう。
私の脳裏にさっき小綺麗な女性試験官殿が外国人男性に言っていた

「スクールでもっと練習してきて下さい!」

と言う言葉が過った。
やはりこの2週間の間、何度か教習を受けるべきであった。
肩を落として閑散とした夕方の試験場を後にとぼとぼとバス停へと歩いた。

後日、私は早速兵庫県自動車学校へ教習の予約を取りに行った。

明石の免許試験場へ行こう! 5

明石の免許試験場へ行こう! 5

明石16

平成23年9月14日(水)

2回目の仮免許技能試験を翌日に控え、念のため今日も兵庫県自動車学校で練習した。
この日は雨の中の練習となった。
今回お世話になった教官とはなんかあまり合わなくてなかなか練習に身が入らない。
色々教えてはくれるけど、やればやるほど運転がおかしくなる感じ。
あげくの果てに、坂道発進の際、エンストまでしてしまう始末!
1回の教習にかかる料金は¥6300と決して安くは無いのにぃ〜!
こんなんで明日の試験、うまくいくだろうか!?

平成23年9月15日(木)

明石8

2度目の仮免技能試験を受けるため、余裕をもって先週とほぼ同じ時刻に家を出る。
試験場に着くと、先週と同じ様な光景。
丁度午前に行われた学科試験の合格発表の時間で、発表と同時にどよめきが起り、騒然となっている横を通り過ぎ、まずは1番窓口へ行き、試験料¥4750を支払って証書をもらう。
地階の技能試験フロアへ階段を駆け下りると、やはり外免試験のコース発表直後で何人かの外国人がコースを歩いているのが見えた。

明石d

例によって私も¥300のコース図と青い色鉛筆を持ってコースを見て回った。
しかし前回と違ってなぜか今日はあまり身が入らない。
暑さのせいもあり、なかなか覚えられないのでコース見学は止めにして食道へ向かった。
今回はラーメンときつねうどんを食べた。
その後、受付の始まる指定時刻である14時30分の5分前まで試験説明ビデオを見ながらのんびりと過ごした。
受付窓口には先週指定を受けた小綺麗な女性職員の姿も見える。
この女性は受付窓口担当の人なのかな?
でも兵庫県警の制服を着ているので、この人も警察官だ。
14時25分頃、14時30分指定を受けている人は集まる様、館内案内放送があり、ぞろぞろと人が集まって来た。
そして指定された窓口の前で並び、受験手続きを終えてほどなくコース発表が行われる。
今回は第1コースで前回とは逆回りのパターンだ。
すぐさまコースへ飛び出して交差点や各ポイント毎に設けられた番号札などをチェックしながら見て回った。

明石19

見学終了後は試験説明となり、この日説明してくれるのは、何と例の小綺麗な女性職員だ。
この人も試験官だった事をこの時初めて知る。
説明はとてもわかり易く、
「これをやったら減点よ!」
「こうなったらもう試験中止でアウトやからね!」
「ここで失敗しそうになったらこう対処しないとアウトやから気を付けてね!」
等々、一生懸命、そして親身になって解説してくれる。
声や喋り方は衆議院議員の辻本清美さんによく似ている。

解説が終わると試験スタートで、この女性も他の男性試験官と同じ様に兵庫県警とアルフェベットで刺繍されたキャップを被ると、その顔つきはいっぺんにキリリと引き締まり、プロの表情へと変貌した。
私はこの女性試験官の採点を受けてみたい気持ちになったが、残念ながら今回はおじさん試験官殿だった。
今回も私は3番手で、1番目の人が帰って来るまでスタート地点のベンチに座って待機する。
1番手の人は受験票を返されたので不合格であった。
2番手の人の後部座席に乗り込む。
そして2番手の人もコースを全て回り終えたが、不合格だった。
いよいよ私の番がやって来た。
安全確認して速やかに運転席へ乗り込んだ。
そしておじさん試験官殿に挨拶して試験スタート!
例のごとく「慣らし走行」は一瞬で終わり、周回道路をしばらく走って
「ハイ!指示速度!」
の号令で50キロ走行後、一旦停止、右左折、信号、そして事件は起こりました!
片側1車線の道路から通行区分に別れた片側2車線の道路へ左折する際、私は左折後すぐに
右折があると勘違いし、中央寄りの車線へと進入してしまい、直ぐ間違えに気付き、再び左側車線へと戻ってしまった。
これは結果的に大失敗で、大きく大回りして左折してしまった事になってしまい、大きな減点となったはずである。
この様な場合、間違えに気付いた時点で試験官殿に
「間違えました」
と言うと恐らく減点は無かったのではないかと思われる。
コース間違えは減点にはならないが、元のコースへ戻る為の迂回ルートも採点される事になるが、もう後の祭りだ。
それでも気を取り直してS字や屈折路へ向かう。
屈折路では切り返ししてしまった。(切り返し1回はタダ)
そして前回バックして失敗した踏切もサイドブレーキを使って慎重に発進。
とりあえず完走してゴールへと戻る事が出来た。
駐車処置を終えるとおじさん試験官殿が
「木下さんねぇ〜、点数無くなったんでねぇ、今回は不合格なんやわぁ〜
「あのねぇ木下さん、木下さんはちゃんと運転出来たはんねんけどねぇ、左折の時に所々小回りが出来てへんとこがあったりねぇ、
木下さんも分ったはると思うけど、コース間違えて大回りしはったでしょう」
「もうねぇ、丁寧に丁寧に運転するしかないんですわぁ〜」
「今日の運転でもっと丁寧にきっちり運転出来はったら大丈夫や思うんで、次回頑張って下さい!」
と、有難いワンポイントアドバイスを頂戴した。
そして仮免技能試験受験票が返され、受付窓口で次回の予約を行う。
あろう事か来週の木曜日はもういっぱいで空いていないとの由。

ガァ〜ン!

これまでほぼ1週間おきに試験を受ける事が出来たのに、次回は2週間も先になってしまった。
これじゃぁ今まで苦労して身につけて来た勘が鈍るかも知れない。
私のテンションは一気に下がり、ガッカリしながら強い西日が差し込んで閑散とした試験場を後にした。

明石の免許試験場へ行こう! 4

明石の免許試験場へ行こう! 4

明石16

平成23年9月8日(木)

今日は仮免許技能試験を受ける日で、集合時間は14時30分頃だったが余裕を見て午前中には家を出た。
前回と同じように明石駅前から免許試験場前までバスに乗る。
試験場に到着すると、折しも本免仮免学科試験の合格発表直前で、モニター前のフロアは人であふれていた。
そしてピンポンピンポンピンポ〜ンのチャイムの後、いよいよ発表!
合格者達の喜びの歓声に不合格だった人々の落胆の声とが混ざり合う中、早足で地階にある技能試験フロアへと向かった。
ちょうど外免切り替えの試験が行われようとしているらしく、外国人達がたむろしている。
ちっちゃい子供を連れて来ている外国人もいて、その子供が奇声を発してうるさい。
窓口の職員も迷惑そうだ。
外の試験コースには人が歩いている様なので、恐る恐る入ってみる。
丁度コース発表があり、見学タイムらしい。
ほんで私もずうずうしく見学させてもらう。
怒られないかなぁ!?汗

明石試験場の仮免技能試験コースは何と10コースもあり、全部覚えるのはとても無理!
とりあえず適当に選んで、そのコースにそって歩いてみる事にする。

明石e

手には先週購入した¥300のコース図と青い色鉛筆。
まずはスタート地点から歩き始めるんですが、明石試験場の広いこと広いこと!
コースの中には大きな池もあり、池の周辺はちょっとした森の様な趣きだ。
ひぇぇぇぇ〜!
今日も残暑が厳しく、ペットボトルの水を飲みながら早足で歩く。
外周をぐる〜っとまわるだけでも15分〜20分は掛かるのではないかと思われるが、もしかして外免試験が始まるのではないか!?
との不安から、所々駆け足でまわる。
丁度お医者さんから
「木下さんは立ち仕事で、立っている事は多いけど、以外と歩いてないから、もっと歩かないとあかんよぉ〜!」
と言われていたので、これは丁度良いウォーキングだ!
なんて思いながら暑い中コースを歩く。
外周を進み、池に近付いて来た辺りから何だか見覚えのある景色が広がっていた。
見えているのは県営赤羽住宅の建物群で、以前ここに私の古くからの鉄道写真の友人(現在鉄道写真は引退)ご一家が住んでいた所に間違い無い。

明石18

その昔、何度か遊びに寄せて頂いた事があり、こんなに試験場のコースから近い所だったのかと改めて思った。
そんな事を懐かしく思い出しながら、黙々と歩く。
外周コースの池に沿った付近は、緩やかなカーブを描いた、さながら信号の無い郊外を行く道路の雰囲気だ。
確かこの付近が指示速度50キロ走行をしなければいけない区間のはずだ。
またこの付近から庁舎は木々で囲まれた池のせいで見えないので、他に歩いている人なども見えないのでとても不安。
大急ぎで外周を見て回り、今度は坂道の丘、踏切、信号のある交差点、狭路(S字、クランク)をくまなく見て回る。

明石3

暑さのせいでしんどくなり見学は止めにして、お腹も空いて来たので庁舎内にある食道へ行く事にする。
ラーメンを食べてみたが、もうひとつ物足りないので、おそばも食べて、試験前の腹ごしらえもバッチシ!
再び技能試験フロアに行くと、折しも本免路上試験の説明の最中だったので、少し離れた席に座り、耳をすませてその様子をうかがった。
そうこうしていると、さっきの外免切り替えの受験者達が試験を終え、フロアへと戻って来る。
そのほとんどが肩をガックリ落としながら次回再試験の予約を済ませている。
「あのねぇ〜、今回もダメだったのよぉ〜!」
と残念そうに電話している外国人女性もいる。
そんな様子を見たり、試験案内ビデオなどを見ているうちに、受付時間も近付き、いつの間にか他の受験生が大勢集まっていた。
そして指定時刻の5分前から受付が始まり、受験票を受け取り、その後間もなくコース発表となる。
コースはみんな同じではなく、何組かのグループに分けられ、それぞれ違うコースとなる。
私は今回は第5コースであった。
早速場内へ見学に向かう。
とりあえず外周も含めて全て歩いてみた。
そして購入したコース図に青い色鉛筆でコース上の交差点ごとに立つ番号を記入していく。
一通り第5コースを見て回った後、一度庁舎建物へ戻ると、遅れてやって来た男性が受付窓口にやって来るではないか!
確か指定時刻の5分前までに必ず来る様に言われたけど、この人は大丈夫かなぁ!?と見ていると、
受付窓口の小綺麗な感じの女性職員から、
「5分前に必ず来る様に言われたでしょ!!」
「ちゃんと指定された時間に来てもらわないと試験は受けられないのよ!」
「今日は受けさせてあげるけど、ちゃんと遅れないで来ないとダメよ!」
とピシャリと言われているのが聞こえた。
15時20分から試験の説明が始まるので、それまでにコースを覚え、試験に備えてトイレも済ませておく。
そういえば緊張のせいか今日も何度もトイレに行った。
コース説明が始まる前に、試験車に乗車する順番に並んで席に着く。
そしてホワイトボードなどを使ってかなり丁寧で詳しい説明の後、いよいよ仮免許技能試験開始である。
採点方式は、100点満点で失敗するごとに減点され、70点を下回ると不合格で、大きな失敗をしたり、危険行為などをすると、そこで試験が中止となる場合もある。
そして試験官は試験中一切質問には答えてくれないが、コース案内はきっちりしてくれる。
私のグループは3人一組で、今回はラストの3人目であった。
今回の試験車には2番手の受験者の他に何故かもう1人の試験官がも同乗した。
採点してくれる今回の試験官は少し若めで真面目そうな女性試験官であった。
1人目の試験が終わり、私は2人目の試験車に同乗する。
試験車両は日産プリメーラだ。

明石24

こういう試験車や教習所の車と言えば、クラウンやセドリックのタクシータイプがお馴染みなのに、意外だ。
他の普通乗用試験車両も真新しい小型車ばかりで運転し易そうだ。
そして2番手の人の試験がスタート。
覚えたコースを確認しながら進路変更や交差点を曲がる度に私も首を振って安全確認を行った。
ところがコースも終盤に差し掛かったところで、覚えたはずのコースとは違うルートでスタート地点へと戻ったではないか!
私は覚えたコースが間違ってしまったのかと勘違いしたかと思った。
しかし後で気付いたけど、実は点数が無くなったので試験は中止されてスタート地点へショートカットしたのだった。
これに早く気が付くべきだった。
2番手さんは残念ながら不合格であった。
そしていよいよ私の番がやって来た。
ウゥ〜〜〜ウ!緊張するぅ〜!
鉄道マンがよくやっている様に、車の前後を指差し確認して後方を安全確認をしてそっとドアを開けて車に乗り込んだ。
ドアを閉める時も後方確認をしてゆっくりと閉める。
ドアロック、シートの位置の調整、シートベルト、ルームミラーの調整などを行って準備完了!
恐る恐るエンジンをかけ、女性試験官の「それではスタートして下さい!」との指示で右合図を出して後方安全確認を行ってスタート!
発進時、慣れないマニュアル車のため結構吹かして何とか走り出してコースへ出た。
最初の100メートルほどは緊張を和らげたり、初めて乗る試験車に慣れるための「慣らし走行」だ。
しかし100メートルなんてほんの一瞬で終わり女性試験官の「はい!慣らし走行終了!」の号令がかかる。
こんな一瞬でどう慣れろと言うのか!?
しかしそんな事を考えている暇は無い。
すぐに障害物があり安全確認〜合図を素早く出して避ける。
そして免許更新センターの建物を過ぎ、以前友人が住んでいた県営住宅が見えてくると、
女性試験官は「はい!指示速度!!」と号令をかける。
指示速度とは周回コースの一部区間を50キロを出してしばらく走らなければならず、これは容易い事だ。
ミッションを素早く切り替えトップギアで池の周りのコースをピッタリ50キロを出して軽快に飛ばす!
程なく前方に制限40キロの標識が見えて来たあたりでアクセルを離して40キロに落とした。
試験コースは全部ちゃんと余裕をもってとてもわかり易く指示してくれるので、それに従ってコースを進む。
第一の課題、踏切の通過。
手前できっちり一旦停止しないとあきません。
そして窓を開けて警報機や列車などの音を確認後、緩やかな坂になった踏切を渡ったが、その際ギアチェンジのタイミングが合わず、
あろう事かほんのちょっとバックした。
隣の試験官は用紙に何かササ〜ッと書き込んでいる。
続いてまた障害物を避けて直ぐ坂道発進があり、坂の途中の停止位置で止まり、サイドブレーキを使って難なく発進。
ホッとして坂を下るが慣れないマニュアル車のため、変なタイミングでクラッチを切ってしまったりして焦る。
次は狭路走行でS字と屈折路の走行だ。
西宮の教習所では難なくこなせたけれど、試験場のコースはやたらと狭く感じる。
難しかったけれど、どちらのノンストップで通過出来た。
その後信号のある交差点の左折や一旦停止場所を経て私の前の人が返された地点へと差し掛かる。
この時点で私はまだ前に人が試験を打ち切られた事に気が付いていなかったので慌てる。
少しスピードを落としながら不安げに走るが試験官からは何も指示が無いのでそのまま進んでゴール地点へ到着した。
エンジンを切って駐車処置を終えると女性試験官は私に車を降りる様に指示。
んん!?
降りろとな!?
通常不合格の場合、すぐ車から降ろさないで、特にダメだった箇所や問題点を教えてくれる試験官殿からのワンポイントアドバイスがある。
でも降りろと言うことは、これはもしかしてもしかすると…
安全確認をして車を降り、試験官の側へ行くと、後部座席に座っているもうひとりの試験官が何やら女性試験官殿に言っている。
女性試験官は私に「ちょっと待っててね!」と言って一旦車のドアや窓を閉め、後尾座席の試験官から何か指摘されている様子だ。
おいおい!後ろの試験官!一体何をゆうてんねん!やめてくれぇ〜!!と思いながらその様子を見た私は今回は不合格だと確信した。
再びドアが開き、女性試験官殿は申し訳なさそうな顔つきで
「あのねぇ木下さん、今回はねぇ、ちょっと点数が無くなっちゃってねぇ、
不合格なんですよぉ〜
「運転の方はねぇ、ちゃんときっちり安全確認は出来てたんですけどねぇ、踏切の所で少しバックしたでしょう!?」
「それとねぇ、優先道路へ出る時にちょっとスピードが早かったみたいなんですぅ〜」
「優先道路へ進入する時はねぇ、やっぱりもっとしっかり徐行しないといけないんですよぉ〜」
「また次回頑張ってください」
トホホ〜〜〜!でも私には心当たりがあった。
前の人がコースを外れ、スタート地点に戻された前方が優先道路だった場所で、疑問に思いながら走行した結果、注意散漫になってしまったのだ。
あれまぁ〜、何と惜しかった事!
もしかしたら栄えある1発合格だったかも知れないものを!

悔しぃぃぃぃ〜〜〜〜〜!!!!!

受験票を手渡され、次回の仮免技能試験の予約をしに窓口に向かう。
窓口にはさっき遅刻してやって来た人に小言を言っていた小綺麗な感じの女性職員がおられ、空いている日を教えてくれる。
幸い翌週の木曜日(9月15日)は空いており、その日を希望すると、その小綺麗な女性はニコリともせず、淡々とした感じで次回の指定票を私に差し出した。
小綺麗なおばさんだなぁ〜なんて思いながら、ひと気が無くなってガラ〜ンとした試験場を後にした。
しかしこの小綺麗な女性職員は後に試験官である事が分った。
何故かあまりガッカリした気分ではなかった。

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