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日々のブログ

最後まで使い切る!

皆様こんにちは!
いつもありがとうございます。

さて、今回のお話は、私のケチケチ!?についてです。

ケチと言っても、お客様にお出しするお料理の分量をケチったり、営業中の店内外の照明などをケチるお話ではありません(笑)。

キノシタでは、お魚のあら、海老の殻、野菜の切れ端といったヘタが結構出ます。
本来なら捨ててしまう物達です。

しかし…

私はそういったヘタを、そう簡単には捨てません。
例えば大根や人参の革や、大根おろしをすった時に大量に生じる大根ジュース。
大根ジュースは鍋で火にかけ、灰汁を丁寧にとると、透き通った綺麗な煮汁となります。
そこへ水を足し、大根の皮や葉っぱなども入れ炊くと、本当に旨い出汁が採れます。
そこへ、これまた大量に発生する海老の殻を、オーブンで香ばい香りが出るまで焼き(生のままだと生臭さが残る場合があります)、それを加えて煮出すと、実に旨いスープが採れます。
このまま味を整えただけでも美味しく頂けますが、さらにこれをベースに普段お店でお出ししている、じゃがいもやかぼちゃのスープを作ります。

大量の人参の皮も、フードプロセッサーで粉砕し、大きな鍋で火にかけ水気を飛ばし、パラパラになるまで炒めます。
これはカレーの材料のひとつとなります。

白ネギの青い部分などを捨てようものなら一喝されます(笑)。

サラダを作る時に使う事の出来ない、いわゆるくず野菜が、これまた結構な量が発生します。
この中には、お客様にはお出し出来ませんが、まだまだ十分に食べる事の出来るものも多く、私はそれらを捨てずに置いといてもらってます。
このくず野菜が、私の昼食や晩ご飯のサラダとなり、毎日毎日バリバリと食べています。
おかげで大量のお野菜が摂取出来、健康面においても非常に快調です!(このくず野菜は木下専用で、他のスタッフは食べません)

どれも、本来なら捨ててしまう物達ですから、いわば原価はタダで、美味しいものが出来るわけです。

とうもろこしの皮、魚のアラなどは、全てではありませんが、お店の裏に置いてある土の入った容器へ入れ、よく混ぜて土と馴染ませます。
初冬にお店の周りに大量に散乱する落ち葉も集めて混ぜ込みます。
するとそれはやがて、店の植木を育てる為の良い肥料となり、いちいちホームセンターなどで肥料を購入する必要はなくなります。

これは、私が普段愛読している業界誌によく登場される京都の老舗「菊乃井」当主、村田吉弘氏や、なにわ割烹の重鎮であり、親友の父親でもある上野修三氏が、食材は殆どが生きているもの。
そして私達料理人は、その命を奪ってお料理を作るわけですから、食材は決して無駄にせず、最後まで使い切る旨のお話をしておられます。
私はこの偉大なる料理人のお二方を尊敬しているので、それを率先して実行しているのです。

ところが昨日、せっかく長い時間をかけて作ったこの土が、どうもゴミ収集の際に一緒に持って行かれてしまった様で全て失われてしまい、本当に残念の極みである。