今日は店内に生けられたお花についてお話したいと思います。
もともと当店では、わざわざ買ってまでお花を飾るという事はしておりませんでした。ところがある日を境に、生花をいけるようになったのです。
当店には以前、もう何年にもわたって、ほぼ毎日の様にランチを楽しみにご来店下さったご年配の奥様がいらっしゃいました。当店でのランチが、その奥様にとってはもう生活の一部となっておられたと思います。
いつも私の目の前のカウンターに座られるその奥様と私たち店のスタッフとはとても仲良しで、毎日その奥様といろいろなお話をするのがとても楽しみでした。
ところが、ある年の、とても寒い日が続いた年の瀬に突然、その奥様はお亡くなりになったのでございます。
永年にわたり、ご贔屓にして下さったその奥様に、感謝と哀悼の気持ちを込めて、いつもお座りになっておられたカウンターの端にお花を飾ったのが始まりで、今日に至っております。
そして最近はお花を買いに行く役割が私となって、毎週金曜日に行きつけのお花屋さんへ行き、いろいろと選ぶ事が密かな楽しみとなっております。
大の男がお花を買いに行くと言うのも、なんかちょっと照れくさい気もしますが、美しく可憐なお花を見ていると、とても癒されるんですね。本当に不思議です。
そしてご来店下さったお客様にも喜んで頂けたら、これほど嬉しい事はありません。
これからも末永く続けていてたらと思っております。