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日々のブログ

店内の客船

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皆様こんにちは!

随分とご無沙汰してしまい、大変申し訳ありませんでした。

ところで一度でも当店へお越し下さったお客様ならお分かりかと思い

ますが、当店にはやたらと客船の絵が描かれています。

メニューの黒板や植木鉢、そして一番眼を引くのが店内の壁面に直に

描かれた客船「ノルマンディー」号です。

今日はこの「ノルマンディー」号のお話をしようと思います。

まだ飛行機がなかった1900年初頭は、北大西洋航路の全盛時代で数

多くのオーシャンライナー(遠洋定期客船)が運行していました。

そしてそれらの客船は、豪華さ、大きさ、スピードを競い合っていま

した。

そして1935年、フランス国策会社となったフレンチラインは、国の

名誉、威信、そして「みえ」をかけて当時世界最大、最速、そして最

も豪華で可憐な客船「ノルマンディー」号を完成させました。

この船はまるで北大西洋に可憐に咲いた花でした。

1935年5月29日、「ノルマンディー」号はフランスのル・アーブル

からニューヨークに向けて処女航海に出向、北大西洋航路最速新記録

を達成し、栄光のブルーリボン賞を獲得しました。

ニューヨーク初入港の際、お祝いの旗をたなびかせた数多くのボート

や遊覧船、消防艇の放水、そして艀の上に乗ったミッキーマウスの巨

大な風船人形などが出迎え、ビルの窓からは紙吹雪がまい、本当に大

勢の人々で港は賑わいました。

店内の壁画は、まさにその時の様子を描いたもので、ちゃんとミッ

キーマウスも描いてあります(笑)。

この素晴らしい客船は、数多くの著名人からもこよなく愛され、中で

も女優マルレーネ・ディートリヒなどの映画スターたちからも人気が

あったと伝えられています。

しかしこの客船の栄光に満ちあふれた活躍は、たったの4年で終わっ

てしまうのです。

第二次世界大戦が始まってニューヨークに停泊したいた「ノルマン

ディー」号はアメリカに接収されてしまい、兵員輸送船として改装

中、溶接の火花が無造作に積み上げられた救命胴衣に引火、大火事と

なりもはや手がつけられない状態でした。

そして初入港の際、歓迎放水をしてくれた消防艇が一斉に放水したお

かげで丸焼けになった「ノルマンディー」号は徐々に浸水、最後はご

ろんと横転してしまい、もはや救いようのない状態に陥り、残念なが

らそのままスクラップとなってしまったのです。

こんな数奇な運命をたどった「ノルマンディー」号は、私が最も好き

な客船のひとつです。

そしてお店には合計3つの「ノルマンディー」号の絵があります。

是非探してみて下さいね!